高見知英のゲームの話しかしないポッドキャスト第78回をお届けします。
今回は、前回話題に出した『ワイルドアームズ』や『火星物語』の流れから、自分の人生観に影響を与えたゲームについて振り返ってみようかなと思います。
ヒーローの裏側と「悪者の特権」
まずは『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』のお話から。
この作品は、とにかく特撮番組のような雰囲気が充満していました。 ウルトラマンのような敵の出現ムービーや、ウルトラマンに出そうな怪獣のデザインだけでなく、主人公が変身したり、変身すると曲が変わったりと、コテコテの演出が特徴的です。
特に印象に残っているのが、敵組織が国境を越えて移動するシーンでのセリフです。 「ルールを無視して越境できるのは悪者の特権だ」といった趣旨の話があって、なるほどなと納得した記憶があります。
無法者の特権というか、ルール違反ができる強みのようなもの。 そんな視点を教えてくれたのは、このゲームが初めてだったかもしれません。
また、「英雄とは何か」というテーマも貫かれていて、ヒーローものの世界観の裏側に触れるような、深い体験ができました。
子供たちの「今」を楽しむ力
続いて『ワイルドアームズ アドヴァンスドサード』について。
物語の終盤、世界から思い出が失われるという大事件が起きます。 大人が慌てふためく中で、子供たちは意外とあっけらかんとしているんですよね。
「今楽しめてるんだからいいじゃん」という子供たちの構え方。 これは、今の自分が関わっている「山手縁乃庭街のお茶の間子どものフリースペース」での活動にも通じるものがあるなと感じています。
子供たちは、ストーリーを完結させることよりも、今目の前のポケモンとバトルすること、その瞬間を楽しんでいる。 そんな本質的な違いを、ゲームを通じて学んだような気がします。
道徳の教科書みたいなゲーム
『火星物語』は、自分にとって道徳の教科書のような存在でした。
人形劇のようなアイキャッチが入り、一話ずつ進んでいく絵本のようなゲーム。 それぞれの時代の課題を目の前に、人々と話し、どう行動するかを考える。
物事の捉え方や、行動の結果として何が起きるのか。 ちょっとした怖さも含めて、大切なことを教えてくれる作品でした。
多文化理解とNo Man's Sky
比較的新しい作品では、『No Man's Sky』からも大きな影響を受けています。
宇宙を旅して異星人と出会うのですが、最初は言葉が全く通じません。 少しずつ単語を覚えていっても、直訳されるだけでは相手が何を考えているのか分からないんですよね。
結局、言語だけではなく「文化」を理解しないと、本当の意味でのコミュニケーションは取れない。 これは現実世界の多文化理解や、AIとの対話にも通じる話だなと思っています。
相手が機械生命体のコーバックスだと思えば、突拍子もない行動も受け入れられる。 そんな風に、未知の存在を理解する土壌をゲームが作ってくれました。
現代のゲームにおける「学び」
昔のゲームはドット絵だったからこそ、想像力で補う部分や、倫理観に訴えかける部分が多かったのかもしれません。
今のゲームは映像がリアルになり、今「ゲームさんぽ」などの動画で話題になっているように、建築や植物学といった学術的な学びを得る機会が増えました。 それは素晴らしいことですが、一方で「どう生きるか」という道徳的な体験ができるゲームは、今どれくらいあるのかな、と考えたりもします。
自分も子供に関わる立場として、そういった体験ができるゲームの情報を発信していけたらいいなと思っています。
今回のエピソードの詳細は、こちらから聴くことができます。
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